高齢者と美容師の笑顔の架け橋
訪問美容『おうちでスマイル』①
《複業美容師》 今回のインタビューは訪問美容『おうちでスマイル』代表の原崎さんにお伺いします。
よろしくお願いします。
ご自身も美容師として訪問美容をされているそうですが、原崎さんの訪問美容の活動について教えてください。
[原崎] 【外出困難な高齢者の方とその方の元へ伺いカットをする美容師さんを繋げる事業展開】をする為の初動として自分が美容師として訪問美容サービスをしたり、需要掘り起こしの為の営業活動をしています。
高齢者の方のサービスとしてカットは介護保険適用外ですよね?
そうです。需要の掘り起こしがスムーズに進まない要因でもあるのですが、介護適用外のサービスなので行政に入りむことが難しくエンドユーザーに直接アクセス出来る権利が全くない状況での事業になるんです。その中でバラバラでやっているので結局自分の手の届く範囲でしか営業もできない。それでは非効率だし本当に助けて欲しい人まで届かないんじゃないかなと。
その突破口を見つけるべく行政に近い人だったり、保険適用の訪問ビジネスの人たちとのご縁を築こうと日々人に会っていますね。
僕は《保険外サービスだからこそ出来るフットワークの軽い柔軟な対応で介護に携わる方の負担を減らす手助けになることが可能》だと思っています。
訪問系の美容を必要としている方や老人福祉介護施設とかに営業をかけ、そのカットとかを必要としている側と美容師さんたちを繋ぎ合わせるような形で動いている?
はい。
事業展開としては『美容室で働いている美容師さんに対して仕事を依頼する』。
「訪問美容についての知識」だったり、「福祉の基礎的なこと」を伝えるだったりーそういうのを含めた土台を作った上で、あくまでも仕事を依頼してやってもらう。
《仕事はあるけど美容師がいない営業会社と訪問美容をやりたい美容師さんを繋げるサービス》を月額課金でやりたいと思いスタートアップビジネスとしてベンチャーキャピタルから投資を受け会社を立ち上げました。
今はその事業展開のベースを確立すべく一番の課題である営業《お客さんを探してくる仕事》を克服したいとまずは自分が美容師としてサービスをしています。
色々と興味深いですね。
訪問美容で収益を上げているところってどの位あるんですか?
また、ご家庭に行くっていうのもありなんですか?
大手だと3,4社で、小さいのだとどの街にもありますね。
個別にご家庭への訪問もありますがカットする側からは効率が悪いイメージがあるんです。時間単価で考えるとそんなに効率悪い訳ではないのですが美容師さん側としてはやっぱり<稼ぎ>として考える。
施設では単価が抑えられてしまうので十何人とか夕方位までヘトヘトになるまで切って3万円位でまあ稼げるよねって感じ。対して個別訪問では朝10時から1時間だけドアtoドアで行って4〜5000円。多くの美容師さんは前者の方で認識しています。
僕はそれぞれのライフプランに合わせた方向での仕事を提供できればと思っています。
ただ各家庭への営業は一番難しいって言われてみんな大手でも避けますね。
美容師さんに向けては社員雇用ではなく業務委託契約をして仕事を振るイメージですよね?
そうです。それが法人向けの業務委託なのか完全個人が休みの日にやる業務委託なのか。業務委託請負ですね。
何人位でその仕事に携わっているんですか?
基本的には僕1人なんですけど、例えば西荻窪のお客さんから依頼があったりした時にはご縁のある西荻窪の美容師さんへHotP の予約空き状況確認して「行けます?」って連絡&半分無理やり(笑)駆り出して一緒にインタビューや写真とったりして材料集めている感じ。
ただ施設の方で一緒に仲間として動いてくれている方から施設の契約増えたからよろしくねと言われてそっちも同時進行で動いて行くのでそれを合わせると一応2人です。
サービス内容としてはカットがメインですか?
そうです。<カットメイン>で。
こないだクラウドファンディングでお金が集まったので三輪バイクを買って、「自宅でもどこでもシャンプーできる器械」っていうのを持ち運びしようかと思っています。
美容師さんへのデモンストレーションで興味ある方に欲しいって言われたら売ることもできるのでそれを使って移動したいなと。
僕は福岡の《ルームシャンプー(どの体勢でもシャンプーの流しができる)》を開発した方とのご縁で東京での代理店になっているんです。
そんなのあるんですね。
シャンプー台がこの事業ってネックになってくると思うんですけどそこがクリアできると色んなのができますね。
そうなんですよ!そのネックをまさに解決出来る。
《ルームシャンプー》はすごいですよ‼️
掃除機とジョイントさせて使うものなんですけど、要は泡とか汚れを吸い取りながらノズルの先からお湯が出るんです。
動作音や、お湯の冷たい感じなどのデメリットを遥かに凌ぐいい商品だと思いますね。
今度機会があれば見てみたいですね。では、サービス提供地域やターゲット層としてはどの辺りをお考えですか?
地域的には東京・埼玉・神奈川位なら行きます。都内ならむしろ絶対どこでも行こうかなと。
本来はできるだけ小さい方がいいんですけどね。小さくて固まってちゃんとニーズ掘り起こせればそれに人口掛け算すれば投資家とかもイメージ湧くので。投資家向けとしてはそういう風に動きたいなと思ってるんです。
ターゲットは<介護の必要のある介護の保険を適用している高齢者の女性メイン>ですね。
原崎さんは高円寺のサロン経営+フランチャイズでのカラー専門店(2店舗)をしている中、今度は訪問美容へと何故その様な多角化へもって行ったんでしょうか?
原点としては「世の中の問題を解決する」ことかなと思うんですけど、《美容師の仕事で美容師の中にリノベーションを起こす!》。
自分のサロンで他店との違いを確立って何年やっても答えがでないと思ったんですよね。「男性染毛サロンです/外国人カラーです」とか決めちゃうしかないなと。
自分もそうだったけれど振り切れないサロンが多い中で、そのままやっていくだけだと正直面白くないと思いました。
そもそも自営で店やりたいと思って美容師になって、その中で自分の思い描いてた仕事→<1つの店持って自分の技術高めて6000円頂戴する>っていうのが僕は面白くないと思ってしまった。狭い世界だなと。
《僕らはもっと可能性がある、これだけお客様と接してこれだけ色んな経験を積んでいるものをアウトプットする部分がないな》と。
例えば「美容師の腕があればどこでも働けるよね」ってお客様はみんな言いますけど、誰もどこにも行かないじゃないですか基本的に。自分の意志で留まるというよりどこにも行ける選択ができない、選択幅がない状況ってやっぱり不健全なんだなって思う。
もっともっと選択肢があるべきだと。その中で多角化。
まあ単純に金がなくて生き残りたいってだけですね(笑)。どうにかして普通に暮らしたいからあの手この手で10コやれば1コ位当たるんじゃないかなって感じで。
なるほど。ちょっとキツいかもですけどでも美容師のリアルなところですよね。
そうですね。清濁併せ呑むじゃないですけど、アメリカのマリファナの未上場株とか投資もしてますし、仮想通貨も2016年位から手出してますし。落ちる前だったのでそれで1つ店作りましたね。
だからあんま安定思考じゃないんだけど年齢的(38)には安定したいなって言う。だたやっぱり同じ位チャレンジもしたいんです。
実際色んな美容師さんにインタビューを伺うとみなさん「美容師ってこんなに可能性もあるしお客様もいて楽しいし、色々できるはずなのに意外と可能性が狭められていて」で、そこをなんとかしようとし始めると色んなことをやり始める。そうすると自然と多角化になっていて、リアルにサロン1つを経営しても全然お金にならないところもあるので、原崎さんの意見は本当にリアルですよね。
ただ同時に可能性もあると思っているんですよ。まだまだ多くが閉じられた環境下にいる人達なのでそこをなんとかしちゃえばいくらでもいけるよねって感覚も一緒に持っている。
やっぱりサロンのTOPがNO!っていうところが多いのでそれが原因なのかなと。
スタッフからの新しいことへの提案はすごい可能性だしやる気をもって新規事業立ち上げてくれるなんて最高だと思うんです。
変な話、外で会社作ってみんなでやればいいのになって単純に思いますけどね。どこにもやっちゃいけないってルールはないわけだから。週休2日を週休4日にして給料を70%とかに下げればいい話で。お客様がいれば給料も下がらないだろうし。それでいいんじゃないかなって。
なかなかそうは思っていない人だらけなのが難しいところ。でも中には僕寄りの考えの人もいてそういう集まりは面白そうですよね。
原崎さん色んなところに顔出してそうですけど?
それがですね、最近はピンポイントで必要のあるところしか飲みに行かないし、ほぼ1人でいますよ(笑)。行ったとしてもスタートアップやったりしてる人とかで美容師オーナーさんとはほとんど行ってないですね。
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